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同じ意味をあらわす「ことわざ」でも、その国によってまったく違うフレーズだったりすることがあります。ただ言語が違うだけで、同じ言い回しをいうのであれば何の面白みもないと思いませんか?「ことわざ」には、その国に文化や習慣などが反映されます。そこが魅力とも言えるでしょう。

 

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英語の「ことわざ」との比較

では、さっそく日本語と英語の「ことわざ」を比較してみましょう。日本と欧米にはさまざまな文化の違いがあります。その違いを「ことわざ」を通して見ていきましょう。

*おしゃべり?寡黙?

*英語の「ことわざ」

So many countries, so many customs. : 多くの国に多くの習慣(所変われば品変わる)
As many heads, as many wits. : 人の数だけ知恵がある
Conversation teaches more than meditation. : 一人で考えるより話し合う方がよく学べる
Words cut more than swords. : 言葉は剣よりもよく切れる

*日本語の「ことわざ」

以心伝心
言葉多き者は品(しな)少なし
口は災いの元
話し上手の仕事下手

外国(それも欧米)の人から見ると日本人は静かでおとなしいイメージがあるようです。私自身も大勢集まる場になると積極的に発言するタイプではありません。もちろん個々の性格の問題もあるのでしょうが、どうして欧米の人はあんなに雄弁なのでしょう。上に紹介した「ことわざ」を見ればわかるように欧米では「多くの国に多くの習慣」や「人の数だけ知恵がある」ということをよく言います。いろんな国と隣接している欧米は違う国の民族との交流が盛んなので、日本人と比べて早く打ち解けて自分のことを知ってもらおうとする気持ちが強いのです。一方、日本人には仲良くするためには相手の気持ちを尊重し、自分の言いたいことは我慢するという考えがあります。なるほど、それが「ことわざ」にもあらわれていますね。

*行動派?慎重派?

*英語の「ことわざ」

Do to others what you would be done by. : 己の欲する所を人に施せ
Offense is the best defense. : こうげきは最大の防御

*日本語の「ことわざ」

己の欲せざる所を人に施す勿れ
焼け野の雉(きぎす)夜の鶴

次は欧米人と日本人の行動パターンを見てみましょう。一つ目の「ことわざ」は完全に正反対の意味をあらわしています。英語のほうは「自分がしてほしいをこと人にもしてあげなさい」、一方日本語のほうは「自分はしてほしいと思うことでも人にしてはいけない」ということです。普通、自分がいいと思ったことは人にもしてあげるのは良いことです。そこにはお互いの信頼関係も生まれるでしょう。ところが、日本人には他人の好意を親切として受け取るのではなく、ありがた迷惑に感じてしまう部分があるんです。みなさんもそういう経験ありませんか?これは日本という土地柄にも原因があると考えられます。狭い土地に多くの人が暮らしているので、それなりに近所付き合いも大変ですよね。日本に限ったことではないのですが、日本人は結構干渉することが好きなのかもしれません。逆に言えば人との関わりが深いからこその「ことわざ」とも言えるでしょう。もう一方の「ことわざ」からはアグレッシブな欧米人と守りに入る日本人の行動を読み取れます。欧米人にしてみると善は悪とのバトルを意味します。日本人はそのバトルを嫌います。「焼け野の雉(きぎす)夜の鶴」の「きぎず」とはキジのことです。寒い夜に子供を羽で覆い、暖めるといった鶴の習性と同じようにするキジの習性をあらわしているのです。このように日本人の気質として悪に真っ向から立ち向かうことはしません。ただ与えられた任務をやり遂げることが善なんですね。

故事成語と「ことわざ」との比較

故事成語という言葉を聞いて、学校で習ったなぁ〜なんて思い出す人もいるでしょう。故事成語とは中国の古い話や言い伝えなどから生まれた言葉のことを言います。よく知られている有名な故事成語に「矛盾」や「虎の威を借る狐」などがあります。ここでは、故事成語と日本の「ことわざ」を比較してみましょう。

五十歩百歩
どんぐりの背くらべ

一つ目が故事成語で、二つ目が日本の「ことわざ」になります。どちらも意味は同じ。「あまり違いがないこと」という意味なんですよ。さて、みなさんはどちらのほうが分かりやすいでしょうか?たぶん「どんぐりの背比べ」ではないですか?どんぐりって、どれも似たような大きさでそんなに違いが見当たらないですよね。急に「五十歩百歩」といわれてもピンとこない人が多いと思います。さっきも書いたように故事成語は昔の話から生まれた言葉なので、もとの話を知らなければよく分からないものなのです。なので、簡単に説明すると故事成語と日本の「ことわざ」の違いは・・・日本の「ことわざ」は私たち日本人がすぐ理解できるような表現をしている。故事成語はというと中国の昔話の一部分や日本人にとってはなじみのない言葉から出来たもので理解するのはむずかしい。こんな感じですね。ですが故事成語は長い話を短くしているため、じっくり勉強するととても奥深いんですよ。

「ことわざ」は貴重な文化

「ことわざ」は昔の人が残していった化石のようなものと言えるでしょう。日本にも海外から様々な異なった文化が入り込んでいます。そんな中で私たちはつい自国の文化を忘れがちになってはいないでしょうか。「ことわざ」は日本人らしいモノの考え方や独自の風習を思い出させてくれるものです。そこには昔の人の想いがたくさん詰まっているんですね。以前、友人に「ことわざ」を学ぶとその国のことが分かるよ!と言われたことがありますが、本当にそのとおりだと思います。また、外国の人に日本のことを教えるときにも役立ちますよ。

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