南北朝の梁(りょう)の時代に張さんという画家がいました。ある日、張さんはお寺の壁に4匹の龍を描きました。その絵はとても上手で、まるで今にも動き出しそうなくらい本物そっくりに描かれていました。ところが、なぜか目だけがありません。絵を見た人たちはみんな不思議に思って「どうして目が入っていないのか?」と訪ねました。すると、彼は「もし、目を入れたら龍が飛んで逃げていってしまうから」と答えたのです。みんなが信じなかったので、「じゃあ、試しに2匹だけ目を入れてみよう」と言って彼は目を書き入れました。
しばらくして突然、雷鳴と稲妻が鳴り響きました。その瞬間、お寺の壁に雷が落ち、壁が割れてしまいました。すると信じられないことに、目を入れた2匹の龍が本当に天高く飛んでいってしまったのです。ふと、張さんが壁のほうを見ると目の書かれていない2匹の龍の絵だけが残されていました。
