ことわざ動物園

猫にまつわることわざ

犬にまつわる「ことわざ」と並んで猫にまつわるものも多数ありますよね。個人的に猫の場合は、「猫に〜」という言い方をする「ことわざ」がたくさんあるなぁ〜と思います。ここでは、そんな猫にまつわる「ことわざ」を紹介しましょう。人が持っている猫へのイメージも知ることができるのではないでしょうか。

猫にまつわることわざ

猫にまつわる「ことわざ」

猫に小判

小判には目もくれず毛糸玉に飛びつく猫(猫に小判)
猫に小判
意味

価値の解らない人に、立派なものを与えても何の役にも立たず、ムダになる。

由来

猫に小判をやっても全然喜ばないし、その価値もわからないということに由来しています。ほかに、「猫に石仏」「猫に経」も同義語として使われます。同じ意味で違う動物が登場する「ことわざ」に「豚に真珠」や「犬にまつわることわざ」のページで取り上げた「犬に論語」など様々な動物がモノの価値が分からないと思われているんですね。

使い方

彼女にあの小物入れあげちゃったの?アンティークの雑貨に関心のない人にプレゼントしても猫に小判だよ。

猫の手も借りたい

荷物に追われる人と手を伸ばす猫(猫の手も借りたい)
意味

忙しくて人手が足りないので、誰でもいいから手伝ってほしい。

由来

猫は気まぐれで基本的には飼い主の言うことを聞かない動物といわれています。ですが、ものすごく忙しいときは、あまり役に立ちそうもない猫でもいいからとにかく手伝ってほしいということです。

使い方

今が書き入れ時だから、忙しくて猫の手も借りたいくらいだよ。

猫をかぶる

猫の被り物をかぶった人と鏡に映る素顔(猫をかぶる)
意味

本性を隠して表面上は、わざとおとなしそうに振る舞うこと。また、知っているのに知らない素振りをすること。

由来

猫なで声という言い方をよくしますが、これも猫をなでたときに出す優しくおとなしい鳴き声にたとえているものですよね。これと感覚的には同じようなことです。猫のようにうわべだけ柔らかい物腰でいることからきています。猫のまわりに漂う雰囲気は穏やかでも内心は貪欲だったり陰険だったりするイメージがあると思います。同じ意味をあらわす言い方に「猫根性」や「借りてきた猫」などもありますね。実はあともう一つ由来があるんですけど、これはねこ(ワラ縄を編んだむしろ)をかぶることだという説です。本当のところは、どちらなのでしょう?

使い方

あの人はいつも人前に出ると猫をかぶるよね。

猫に鰹節(かつおぶし)

皿の鰹節に手を伸ばす猫(猫に鰹節)
意味

あやまちを起こしやすく、キケンな状況であること。

由来

「猫に鰹節の番をさせる」の略です。鰹節は猫にとっては大好物、私たち人間にとっても大事なものですよね。その鰹節を猫の前に置くと、すぐ取られてしまい油断できないことに由来しています。猫は食べ物をすぐに取っていってしまうので、困っちゃいますね…。

使い方

テストが近いのに彼に新刊のマンガのことを教えたら、猫に鰹節だよ。

猫を追うより魚をのけよ

魚を戸棚にしまう人と見ている猫(猫を追うより魚をのけよ)
意味

なにか問題が起きたら、その場しのぎではなくて、根本的なところから解決するべきということ。問題が起きる前に、まず予防策を考えなさいということ。

由来

魚を取られないように猫を追い払うよりも、まず猫の近くに魚を置かないほうがいいということ。これと似たような「ことわざ」に「猫叱るより猫を囲え」というものがあります。

使い方

A餌付けしている小鳥が増えて、お庭の掃除が大変!鳥を追い払うのは可哀想で…。

B猫を追うより魚をのけよって言うじゃない。餌を置かなければいいんだよ。

猫の額

家のわきの小さな菜園と猫(猫の額)
意味

土地や場所が、とてもせまいこと。

由来

猫の顔を思い浮かべてみてください。おでこにあたる部分が、ほとんどないくらい狭いですよね。そこから、わずかな広さの土地をたとえるようになりました。「猫の額ほどの庭」という使い方が定番です。

使い方

うちの庭なんて猫の額ほどの広さだけど、それでも毎年ミニトマトが採れるんですよ。

猫の目

夜と昼で形の変わる猫の瞳(猫の目)
意味

物事がくるくると目まぐるしく変わること。

由来

猫の瞳は、明るさによって丸くなったり細い線のようになったりと、短時間でどんどん形が変わります。その様子から、変わりやすいもののたとえに使われるようになりました。

使い方

山の天気は猫の目のように変わるから、雨具は必ず持っていったほうがいいですよ。

借りてきた猫

よその家で縮こまっている猫(借りてきた猫)
意味

普段とは違って、いつになくおとなしくしている様子。

由来

猫はなわばりを大切にする動物なので、よその家に連れて行かれると、慣れない場所で緊張してじっとしてしまいます。その様子に由来しています。

使い方

A普段はあんなにおしゃべりな彼が、今日は全然しゃべらないね。

B上司の前だと借りてきた猫みたいになっちゃうんだって。

猫も杓子も

さまざまな人たちが並ぶ様子と猫と杓子(猫も杓子も)
意味

誰も彼も。なにもかも。

由来

諸説ありますが、「禰子(ねこ=神職)も釈氏(しゃくし=僧侶)も」がなまったという説や、「女子(めこ)も弱子(じゃくし)も」が変化したという説などがあります。はっきりしたことは分かっていませんが、身分や立場に関係なく「みんな」という意味で使われます。

使い方

あのお店の新作スイーツ、猫も杓子も行列に並んでいて驚きました。

猫に木天蓼(またたび)

木天蓼の枝にごろりと転がる猫(猫に木天蓼)
意味

大好きなものを与えて、相手を思いどおりに動かすこと。また、とても効果があること。

由来

猫はマタタビの匂いをかぐと、うっとりして酔ったようになります。大好物を前にすると猫がおとなしくなることに由来しています。似た言い方に「猫にまたたび、お女郎に小判」もあります。

使い方

息子にゲームを買ってあげると約束したら、猫にまたたびで急に勉強しはじめました。

猫が肥えれば鰹節が痩せる

鰹節を食べて満足げな太った猫(猫が肥えれば鰹節が痩せる)
意味

一方が得をすれば、もう一方が損をするということ。

由来

猫が鰹節を食べて太れば、そのぶん鰹節は減って小さくなる、という当たり前の関係に由来しています。

使い方

安売りはお客さんには嬉しいけれど、猫が肥えれば鰹節が痩せるで、お店の利益は減ってしまいます。

猫の子一匹いない

シャッターの下りた人けのない商店街(猫の子一匹いない)
意味

人の気配がまったくないこと。

由来

どこにでもいそうな猫の子すら見当たらない、という意味から、まったく人影がない様子をあらわします。

使い方

早朝の商店街は猫の子一匹いなくて、シャッターの音だけが響いていました。

窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ)

追い詰められた鼠が猫の手に噛みつく様子(窮鼠猫を噛む)
意味

追い詰められた弱い者が、必死になって強い者に反撃すること。

由来

中国の古い書物に由来する言葉です。逃げ場をなくしたネズミは、天敵である猫にさえ噛みついて反撃することから、弱い立場の者も追い詰めすぎてはいけない、という戒めとしても使われます。
※このことわざの主役はネズミですが猫も登場するため、取り上げています。

使い方

Aあのおとなしい後輩が、先輩に言い返したんだって。

B窮鼠猫を噛むだね。よっぽど我慢の限界だったんだよ。

猫は三年の恩を三日で忘れる

餌をくれた人から離れ別の人へ行く猫(猫は三年の恩を三日で忘れる)
意味

猫は、三年かけて世話をしてもらった恩も、たった三日で忘れてしまうということ。薄情なことのたとえです。

由来

猫の気まぐれで自由気ままな性質を、犬の忠実さと対比させた言葉です。「犬は三日飼えば三年恩を忘れず、猫は三年飼っても三日で恩を忘れる」と続けて使われます。

使い方

Aあんなに可愛がったのに、よその家でごはんをもらってるみたい。

B猫は三年の恩を三日で忘れるって言うもんね(笑)

猫って、どんな動物?

座敷から蝶を見上げる猫と庭の風景(猫って、どんな動物?)

世界でもペットとして広く飼われている猫はもともと、ネズミ退治のために飼っていたヤマネコを家畜化したものとされています。その何となく暗いイメージから「ことわざ」の中でも犬と比べて否定的なものが多いですね。猫は単独行動をするため、集団生活をする習慣がありません。ほかの猫に合わせたり、協力する、リーダーに服従するといった意識がまったくないのです。なので、自分勝手で気まぐれなんです。孤独を好む動物ともいわれます。そのくせ時々、甘え上手になることもあります♪30種と種類はそんなに多くありません。いろんな性格の猫がいますが、好奇心旺盛で動くものが好きという点は共通の特徴ではないでしょうか。

猫にまつわる伝説(昔話)

天の門の前で牛を見送る猫と女神(猫にまつわる伝説)

年賀状を書く時期になってくると特に意識しはじめるのが干支(えと)ですよね。小さいころ、どうして十二支の中に猫が入っていないんだろうと思ったことはありませんか?ここでは、その理由が明らかになるある伝説(昔話)を紹介しましょう。

昔々、ある年の暮れのこと、神様が動物たちにお触れを出した。

「元日の朝、新年の挨拶に出かけて来なさい。一番早く来た者から十二番目の者までは、順番に1年間すべての動物の大将にしてやろう」

ところが猫は神様の所にいつ行くのか忘れてしまいました。困った猫はネズミに聞いてみました。ネズミは猫にわざと一日遅れの日を教え、牛に「お前は足が遅いから、みんなより一足早く出発したほうがいい」と言って、こっそり牛の背中に乗って神様のところへ向かいました。

犬と猿は仲良く出発したのですが、先を競ったあげくケンカになり、うしろから来ていた鶏が仲裁に入るなんてこともありました。牛が神様の御殿に近づき、一番だ!と喜んで待っていると門が開きました。その瞬間、牛の背中にいたネズミが急いで門の中に走っていったため、ネズミが一番、牛は二番になりました。それからトラ、ウサギ、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪の順に到着しました。蛙もやってきましたが、13番目だったため「もうかえる」と言って帰っていってしまいました。

猫は1日遅れて来たので神様に「昨日で終わっているからお前は仲間には入れないよ。顔を洗って出直してきなさい。」と言われたのでした。

この伝説(昔話)から、ネズミにだまされた猫はネズミを憎んで、追いかけまわすようになったと言われています。また、猫が顔を洗うのも「顔を洗って出直してきなさい」と言った神様の言いつけを守っているためらしいですよ。