ことわざ動物園

馬にまつわることわざ

ずっと昔から人間とともに歩んできた馬。歴史が長いぶん、もちろん「ことわざ」も数多くあります。馬にマイナスの印象を持つものから、プラスの印象を与える「ことわざ」まで様々です。ここでは、そんな馬にまつわる「ことわざ」を見ていきましょう。特徴や馬にまつわる伝説と共にどうぞ♪

馬にまつわる「ことわざ」

馬の耳に念仏

馬の耳に念仏
意味

どんなに注意や意見をしても聞こうとしなかったり、効果のないこと。

由来

馬に念仏を聞かせても、そのありがたみがまったく分からないことに由来しています。同じような意味の「ことわざ」に「犬に論語」や「猫に小判」などがあります。

使い方

彼女に野球の面白さを力説しても、馬の耳に念仏ですよ。だって、スポーツそのものに興味がないので…。

馬子にも衣装

意味

髪や服を整えて着飾れば、どんな人も立派に見えるものだということ。

由来

馬を引いてお客さんを乗せる人でも、いい服を着せて身なりを整えると立派に見えることに由来しています。

使い方

いつもジャージばっかり着ている彼もたまにスーツを着ると見違えますね。まさに馬子にも衣装という感じです。

馬に乗ってみよ、人に添うてみよ

意味

どんなことでもやってみなければ、本当のところは分からないということ。

由来

いい馬かどうかは実際に乗ってみなければ分からないのと同じように、人の本当の考えや姿なども親しく付き合ってみないことには分からないということに由来しています。

使い方

「馬に乗ってみよ、人に添うてみよ」って言うけど本当だ…あの人と親しくなって、やっと本音を聞くことができました。

やせ馬の先走り

意味

物事の成功を急いで、その結果失敗するものということ。気持ちばかり焦って、物事がはかどらないこと。または競走などで最初はトップになるけれど、そのうち息切れして追い越されてしまうこと。

由来

やせた馬は体重が軽いのでスタートダッシュはいいけれど、体力がないためすぐバテやすいことに由来しています。

使い方

あの子はいつも「やせ馬の先走り」。だから、運動会の徒競走では毎年2位なんです。

牛を馬に乗り換える

意味

劣ったほうをやめて、優れたほうに乗り換えること。自分に不利なほうをやめて有利なものに乗り換えること。

由来

その言葉通り、足の遅い牛から速い馬に乗り換えることに由来しています。

使い方

道がとても混んでいるので牛を馬に乗り換えたほうがよさそうですね。約束の場所には車ではなく、自転車で行くことにします。

馬が合う

意味

気心が合い、お互いにしっくりくること。

由来

乗馬のとき、人と馬の呼吸がぴったり合うかどうかが大切であることに由来しています。相性のよい相手を指して使われます。

使い方

新しく入ったバイト仲間とは不思議と馬が合って、毎日の仕事がとても楽しいです。

馬脚を露わす

意味

隠していた本性や、ごまかしていた欠点がばれてしまうこと。

由来

芝居で馬の足の役をする役者が、うっかり姿を見せてしまい、作り物だとばれてしまうことに由来しています。

使い方

いつも物知りぶっていた彼も、専門的な質問をされて馬脚を露わしてしまいました。

人間万事塞翁が馬

意味

人生の幸せや不幸は予測できないもので、一時の幸不幸に喜んだり悲しんだりしても仕方がないということ。

由来

中国の故事で、塞翁という老人の馬が逃げ出し、のちに立派な馬を連れて戻り、さらに息子が落馬して足を折ったことで戦争に行かずに助かったという話に由来しています。

使い方

受験には失敗したけれど、そのおかげで今の素敵な出会いがありました。人間万事塞翁が馬ですね。

馬の背を分ける

意味

夕立などが、狭い範囲で降る場所と降らない場所に分かれること。

由来

馬の背の片側だけが濡れて、もう片側は濡れないほど、境目がはっきりした雨の降り方をたとえたことに由来しています。

使い方

さっきまで土砂降りだったのに、駅の反対側は晴れていました。まさに馬の背を分けるですね。

駿馬も老いては駑馬に劣る

意味

どんなに優れた人でも、年をとれば衰えて、平凡な人にも及ばなくなるということ。

由来

一日に千里を走る優れた馬(駿馬)でも、老いれば足の遅い馬(駑馬)に負けてしまうことに由来しています。

使い方

昔は県大会の常連だった父も、今では私に走り負けます。駿馬も老いては駑馬に劣るですね。

馬を牛に乗り換える

意味

優れたほうを捨てて、劣ったほうに乗り換えること。

由来

足の速い馬をやめて、足の遅い牛に乗り換えるという愚かな行いに由来しています。「牛を馬に乗り換える」と反対の意味になります。

使い方

高性能なパソコンを手放して古い機種に戻すなんて、馬を牛に乗り換えるようなものですよ。

馬の骨

意味

素性や育ちの分からない人をさげすんで言う言葉。

由来

何の馬のものとも分からない骨、という意味から、どこの誰だか分からない人をたとえるようになりました。「どこの馬の骨とも分からない」の形で使われます。

使い方

「どこの馬の骨とも分からない人に、大切な娘はやれん」と、ドラマの父親がよく言いますよね。

竹馬の友

意味

幼い頃から一緒に遊んで育った、ごく親しい友達のこと。

由来

子どもの頃に一緒に竹馬(竹の棒に乗って遊ぶおもちゃ)で遊んだ友達、という意味に由来しています。

使い方

彼とは竹馬の友で、大人になった今でもよく一緒に旅行に出かけます。

痩せ馬に鞭

意味

困っている人や、すでに精一杯頑張っている人に、さらに無理を強いること。

由来

やせて弱っている馬にさらに鞭を打つことから、苦しい状況の人をさらに苦しめるたとえになりました。

使い方

連日残業続きの部下にさらに仕事を頼むなんて、痩せ馬に鞭ですよ。

天高く馬肥ゆる秋

意味

秋の空が高く澄み渡り、馬も食欲が増して太るような、過ごしやすい気持ちのよい季節だということ。

由来

中国の古い詩で、秋になると北方の遊牧民の馬が肥えて、攻めて来る季節として警戒した言葉が由来です。のちに、秋のさわやかさを表す言葉として使われるようになりました。

使い方

天高く馬肥ゆる秋、食欲の秋で、ついついおかわりしてしまいます。

老いたる馬は道を忘れず

意味

経験豊かな人は、物事の進め方や判断を誤らないということ。

由来

中国の故事で、道に迷った軍隊が、老いた馬を放して道案内をさせて、無事に帰ることができたことに由来しています。「老馬の智」とも言います。

使い方

新しいプロジェクトは、ベテランの田中さんに任せましょう。老いたる馬は道を忘れずと言いますから。

馬って、どんな動物?

みなさんもご存知のように馬は草食動物の一種です。身を守るための角や牙(きば)がないので、敵から逃げるために走る能力がとても発達しています。馬の特徴の一つとして、かなり広い範囲を見渡すことができるんですよ。というのも、両目の視野は350度あるため、うしろから近づいてくる敵に素早く気づきます。さらに、夜行性ではないのですが夜でもモノを見ることは可能です。また、馬は昔から大切な家畜として飼われて、人や荷物の移動など労働力として役立っています。

このため品種改良が何度も繰り返され、さまざまな種類の馬がいます。また、馬は社会性の強い動物で、野生でも家畜でも群れを成します。昔から深い関係にあった馬と人間。大切にして、いつも愛情を注いでくれる人の顔を馬は一生覚えているといわれています。

馬にまつわる伝説(昔話)

ここではモンゴルに伝わる「スーホの白い馬」という伝説(昔話)」を紹介しましょう。これは日本でも小学生の国語の教科書に取り上げられているお話です。

昔々、あるところにスーホという歌が上手な羊飼いの少年が住んでいました。ある日、彼はケガをした白い子馬に出会い、家に連れて帰ってきました。そして手当てをしてあげ、その馬をそれは大事に育てました。やがて子馬は雪のように真っ白な立派な馬に成長しました。しばらくして、王様が馬のレースを開くという知らせがきました。しかも優勝したら王女のお婿さんに迎えると。「行っておいで。きっと優勝できるよ!」みんなに勧められて、スーホも白い馬と共にレースに出ることに…。

そのレースで見事スーホはダントツで優勝したのです!ところが、スーホが貧乏だと知った王様は、彼をお婿さんに迎えるのをやめ、白い馬だけを置いて行くように命じました。と、ある晩、仕打ちを受けてひどいキズを負った白い馬が帰ってきたではありませんか!?けれど、懸命に手当てをしたかいなく、天国に旅立ちました。すると、スーホの夢に白い馬があらわれて「あなたの側にいられるように、私の骨や毛で楽器を作ってください」といいました。次の日、スーホは言われたとおり、馬の骨や毛を使って琴を作ることにしました。それからというもの、草原でヒツジの番をしながら琴を奏でるのが彼の日課となりました。

これが今、モンゴルの民族楽器として知られている馬頭琴なんですよ。馬頭琴の誕生にまつわる伝説(昔話)はいくつかありますが、これはその中の一つです。