弘法(こうぼう)にも筆の誤り
弘法大師・空海(774〜835年)
どんな名人でも失敗することがある、という意味ですね。「猿も木から落ちる」と同じ意味の「ことわざ」です。
弘法大師とは、真言宗を開いた空海のこと。書の達人としても知られ、嵯峨天皇、橘逸勢とともに「三筆」と呼ばれました。その空海ですら書き間違えることがある、というわけですね。
実際にこんな逸話が伝わっています。空海が宮中の門の額を書いたところ、「應天門」の「應」の字の点を一つ書き忘れてしまいました。すると空海は、下から筆を投げつけて点を書き足したというのです。失敗したものの、それを見事に挽回したという話ですから、やはりただ者ではありませんね。
ちなみに「弘法筆を選ばず」という言葉もあります。本当の名人は道具を選ばない、という意味です。