ことわざ動物園

子どもに教えたいことわざ

「ことわざ」は、昔の人が暮らしのなかで見つけた知恵の結晶です。短くて覚えやすく、しかも一生ものの教えが詰まっていますから、子どものうちに触れておきたいものですよね。ここでは、小さなお子さんにも伝えやすい「ことわざ」を、場面ごとに紹介していくことにしましょう。

がんばる気持ちを育てることわざ

塵(ちり)も積もれば山となる

小さなことでも、こつこつ続ければ大きな成果になる、という意味です。

毎日少しずつの練習や、わずかな貯金。目の前では変化が見えなくても、積み重ねれば必ず形になります。勉強や習い事に取り組むお子さんに、ぴったりの言葉ですね。

石の上にも三年

冷たい石の上でも、三年座っていれば温まる——辛抱強く続けることの大切さをあらわした言葉です。

すぐに結果が出なくても、やめなければいつか実を結ぶ。「もうやめたい」と言い出したときに、そっと伝えてあげたい「ことわざ」ですね。

七転び八起き

何度失敗しても、そのたびに立ち上がること。

七回転んだら、八回起き上がる。起きる回数のほうが一回多いというのが、この言葉のいいところです。失敗しても大丈夫、という気持ちを伝えられますよね。

継続は力なり

続けることそのものが、力になるという意味です。

短い言葉ですが、説得力がありますね。毎日の習慣を身につけてほしいときに使いやすい言葉です。

千里の道も一歩から

どんなに大きな目標も、最初の一歩から始まるということ。

大きな夢を語るお子さんに、「じゃあ今日は何をする?」と続けてあげると、言葉が生きてきますね。

思いやりを育てることわざ

情けは人のためならず

人に親切にしておけば、めぐりめぐって自分に返ってくる、という意味です。

ただし、この言葉は「情けをかけるのは、その人のためにならない」と誤解されることが多いですね。お子さんに教えるときは、本当の意味をしっかり伝えてあげてください。くわしくは「ことわざを使うときに注意したいこと」のページもご覧ください。

人の振り見て我が振り直せ

他人の行いを見て、自分の行いを正しなさい、ということ。

お友達の良くない行動を指摘したがる時期のお子さんに、「じゃあ自分はどうかな?」と考えさせるきっかけになりますね。

旅は道連れ世は情け

旅に連れがいると心強いように、世の中は思いやりが大切だということ。

少し長いですが、七五調でリズムがよく、口に出すと覚えやすい言葉です。

三人寄れば文殊(もんじゅ)の知恵

一人では思いつかないことも、何人かで考えれば良い知恵が出る、という意味です。

「文殊」とは、知恵をつかさどる菩薩のこと。グループで何かに取り組むときに教えてあげたい言葉ですね。

言葉を大切にすることわざ

口は災いの元

うっかりした一言が、思わぬ災いを招くということ。

言ってはいけないことを言ってしまった——そんなときに、叱るだけでなくこの言葉を添えると、記憶に残りやすくなりますね。

聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥

知らないことを聞くのは、その場では恥ずかしいけれど、聞かずに知らないままでいるほうがずっと恥ずかしい、という意味です。

質問するのをためらうお子さんに、ぜひ伝えてあげたい言葉ですね。後半まで続けて教えるのがポイントです。

嘘つきは泥棒の始まり

小さな嘘を重ねていると、やがて大きな悪事につながるという戒めです。

イソップ童話の「狼少年」とあわせて教えると、お話として理解しやすくなりますよ。このお話は「羊のことわざ」のページで紹介しています。

油断をいましめることわざ

猿も木から落ちる

木登りの名人である猿でも、ときには落ちることがある——どんなに得意なことでも、失敗することはあるという意味です。

得意分野で油断しがちなお子さんに。動物が登場するので、小さなお子さんにも伝わりやすいですね。

猿のことわざ

急がば回れ

急いでいるときほど、確実な道を選びなさい、ということ。

慌てて失敗してしまったあとに、やさしく伝えてあげたい言葉ですね。

転ばぬ先の杖

失敗しないよう、前もって準備をしておくこと。

忘れ物が多いお子さんや、準備を後回しにしがちなお子さんに向いています。

覆水(ふくすい)盆に返らず

こぼれた水は、もとの器には戻らない——一度してしまったことは取り返しがつかない、という意味です。

少し難しい言葉ですが、「だから慎重にね」という教えがはっきりしていますね。

欲張らないことを教えることわざ

二兎を追う者は一兎をも得ず

二匹のうさぎを同時に捕まえようとすると、一匹も捕まえられない、という意味です。

あれもこれもと手を広げてしまうお子さんに。うさぎが出てくるので、場面を想像しやすい言葉ですね。

その他の動物のことわざ

隣の花は赤い

他人のものは、何でもよく見えてしまうということ。

お友達のおもちゃをうらやましがるとき、そっと使ってみてください。

果報は寝て待て

良い知らせは、あせらずに待っていればやってくる、という意味です。

ただし「何もしないでいい」という意味ではありません。やるべきことをやったうえで待つ、という点を添えてあげてくださいね。

教えるときの三つのコツ

その一、場面に合わせて使う

「ことわざ」を一度にたくさん教えようとしても、なかなか身につきません。それよりも、お子さんが何かを経験したその場で一つ伝えるほうが、ずっと記憶に残ります。

転んで泣いているときの「七転び八起き」、忘れ物をしたときの「転ばぬ先の杖」。言葉と体験が結びつくと、一生忘れないものになりますよ。

その二、意味を押しつけない

「どういう意味だと思う?」と、まず考えさせてみてください。

「猿も木から落ちる」なら、猿が落ちる場面を想像するだけで楽しいですよね。そこから「じゃあ人間も失敗することがあるね」と広げていくと、自分で気づいた分だけ深く残ります。

その三、かるたや絵本を使う

遊びながら覚えるのが、いちばん効率がいい方法です。「いろはかるた」は、まさにそのために作られたものなんですよ。四十八枚で四十八の「ことわざ」が覚えられます。

いろはかるたについては「いろはかるたで覚えることわざ」のページで詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

動物の「ことわざ」から始めてみては?

小さなお子さんに最初に教えるなら、やはり動物が出てくる「ことわざ」がおすすめです。

「猿も木から落ちる」「犬も歩けば棒にあたる」「猫に小判」「馬の耳に念仏」。どれも登場する動物の姿が目に浮かびますから、意味を理解する前に場面を楽しめるんですね。絵本やかるたでおなじみの動物たちが出てくると、お子さんの食いつきも違います。

このサイトでは、動物別にたくさんの「ことわざ」を紹介しています。親子で一緒に見ながら、「この動物のことわざ、知ってる?」と話してみるのも楽しいかもしれませんね。

動物にまつわることわざ

「ことわざ」は、何百年も前の人が子や孫に伝えたかった言葉です。それが今、あなたのお子さんに届く——そう考えると、ちょっと素敵なことだと思いませんか。