ことわざ動物園

十二支のことわざ

ねずみ、うし、とら…と数えていく十二支。年賀状の季節になると、自然と意識しますよね。実はこの十二支の動物たち、そのすべてに「ことわざ」があるんですよ。このサイトでも一つひとつ紹介してきましたが、ここでは十二支の順番に沿って、代表的な「ことわざ」を一気に見ていくことにしましょう。あなたはいくつ知っているでしょうか?

十二支ってなに?

まずは十二支のおさらいから。十二支とは、子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)のことです。

もともとは中国で生まれたもので、年や月、時刻、方角をあらわすために使われていました。「丑三つ時(うしみつどき)」や「子の刻(ねのこく)」といった言い方を聞いたことがありませんか?あれも十二支から来ているんですよ。

面白いのは、十二支そのものには本来、動物の意味がなかったということです。覚えやすいように、あとから動物が割り当てられたと言われています。だからこそ、辰(龍)のように実在しない生き物が混じっていたり、猫が入っていなかったりするんですね。猫が十二支に入れなかった理由については、「猫のことわざ」のページで昔話を紹介していますので、ぜひご覧ください。

十二支のことわざ

さっそく、十二支のことわざを順番に紹介していきます。

子(ね)── 鼠

窮鼠(きゅうそ)猫を噛む

追い詰められた弱い者が、必死になって強い者に反撃すること。小さなネズミでも、逃げ場をなくせば猫に噛みつくことから生まれました。相手が弱くても、追い込みすぎてはいけないという戒めでもあります。

ほかに「大山鳴動して鼠一匹」「頭の黒い鼠」など、嫌われ者のわりにたくさんの「ことわざ」が残っているんですよ。

その他の動物のことわざ

丑(うし)── 牛

牛に引かれて善光寺参り

思いがけないことがきっかけで、よい方向へ導かれること。信心のないおばあさんが、布を角に引っかけて走り去った牛を追ううちに、善光寺にたどり着いたという言い伝えに由来しています。

のんびりした牛のイメージそのままに、「牛の歩み」「商いは牛の涎」など、気長さを説く言葉が多いのが特徴ですね。

牛のことわざ

寅(とら)── 虎

虎の威を借る狐

自分には力がないのに、他人の権力をかさに着て威張る人のこと。狐が虎を自分のうしろに歩かせて、ほかの動物を怖がらせたという中国の故事から生まれました。

虎は中国の故事成語に欠かせない動物です。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」「前門の虎、後門の狼」など、迫力のある言葉がそろっています。

虎のことわざ

卯(う)── 兎

二兎を追う者は一兎をも得ず

同時に二つのことをしようとしても、結局どちらも成功しないということ。二匹の兎を同時に捕まえようとしても、一匹も捕まえられないことから生まれました。

ほかに「株を守りて兎を待つ」「脱兎のごとし」など、兎の素早さや臆病さにちなんだ言葉が多いですね。

その他の動物のことわざ

辰(たつ)── 龍

竜頭蛇尾(りゅうとうだび)

はじめは勢いが盛んなのに、終わりになるほど勢いがなくなってしまうこと。頭は立派な龍なのに、尾は蛇のように細い、ということから生まれました。

十二支でただひとつ実在しない動物ですが、「画竜点睛」「登竜門」「逆鱗に触れる」など、「ことわざ」の数は十二支でも屈指の多さなんですよ。

龍のことわざ

巳(み)── 蛇

蛇の道は蛇(じゃのみちはへび)

同じ仲間のすることは、仲間にはすぐ分かってしまうということ。大蛇の通り道は、同じ蛇ならたやすく見つけられることから生まれました。

「蛇足」「藪をつついて蛇を出す」など、蛇の「ことわざ」もなかなかの数がありますね。

その他の動物のことわざ

午(うま)── 馬

馬の耳に念仏

どんなに注意や意見をしても、聞こうとしない、効果がないこと。馬に念仏を聞かせても、そのありがたみが分からないことから生まれました。

人の暮らしを長く支えてきただけあって、「馬子にも衣装」「やせ馬の先走り」など、馬の「ことわざ」は実にたくさんあります。

馬のことわざ

未(ひつじ)── 羊

羊頭狗肉(ようとうくにく)

見かけは立派だけれど、中身がともなわないこと。店先に羊の頭を掲げておきながら、売っているのは犬の肉だった、という中国の話から生まれました。

日本では羊を飼う文化が長く根づかなかったため、羊の「ことわざ」はそのほとんどが中国や西洋から伝わったものなんですよ。

羊のことわざ

申(さる)── 猿

猿も木から落ちる

どんなにその道に優れていても、時には失敗することがあるということ。木登り名人の猿でも、落ちることがあるんですね。

「猿に烏帽子」「猿の人まね」など、人間によく似ているからこその「ことわざ」が多いのが特徴です。

猿のことわざ

酉(とり)── 鶏

鶏口となるも牛後となるなかれ

大きな組織の末端にいるより、小さくてもその長になるほうがよいということ。「鶏口」は鶏のくちばし、「牛後」は牛のおしりのことです。

夜明けを告げる鳥として神聖視されてきた鶏には、「鶏鳴狗盗」「鶏群の一鶴」など、中国由来の言葉が数多く残されています。

鶏のことわざ

戌(いぬ)── 犬

犬も歩けば棒にあたる

何かをしていれば、思いがけない幸運にめぐり合うこともあるということ。もとは「余計なことをすると災難にあう」という悪い意味でしたが、今では良い意味で使われることのほうが多くなりました。

いろはかるたの一枚目を飾る、最も有名な「ことわざ」の一つですね。「飼い犬に手をかまれる」「犬猿の仲」など、犬の「ことわざ」もたくさんあります。

犬のことわざ

亥(い)── 猪

山より大きな猪は出ぬ

入れ物より中身が大きいことはありえないということ。話を大げさに言うのも程々にしておきなさい、という戒めでもあります。

まっすぐ突き進む姿から生まれた「猪突猛進」も、よく知られていますね。

その他の動物のことわざ

十二支にいない動物の「ことわざ」も!

こうして並べてみると、十二支の動物にはどれも「ことわざ」があることが分かりますね。長いあいだ人々に親しまれてきた動物ばかりですから、当然といえば当然かもしれません。

けれど、十二支に入っていない動物にも、たくさんの「ことわざ」があります。「猫に小判」の猫、「狸寝入り」の狸、「狐につままれる」の狐、「立つ鳥あとを濁さず」の鳥、「蛙の子は蛙」の蛙…どれもおなじみですよね。十二支に選ばれなかったからといって、人々に親しまれていなかったわけではないんですね。

それぞれの動物の「ことわざ」については、「動物にまつわることわざ」のページからご覧いただけます。