ことわざ動物園

動物のことわざを座右の銘に

座右の銘といえば、「初志貫徹」や「継続は力なり」といった真面目な言葉を思い浮かべるかもしれませんね。けれど、動物の「ことわざ」を座右の銘にするのも、なかなか味があるんですよ。どこか親しみやすくて、肩の力が抜けていて、それでいて芯のある言葉たち。ここでは、そんな「ことわざ」を性格別に紹介していくことにしましょう。

動物のことわざを座右の銘に

挑戦する人に

虎穴に入らずんば虎子を得ず

危険を冒さなければ、大きな成功は手に入らないということ。

後漢の武将・班超が、部下たちを奮い立たせるために言った言葉だと伝えられています。安全な場所にとどまっていては何も変わらない——そう信じて動く人にふさわしい言葉ですね。

新しいことに踏み出すとき、背中を押してくれますよ。

虎のことわざ

馬には乗ってみよ、人に添うてみよ

何事も、実際に経験してみなければ本当のところは分からないということ。

頭で考えるより、まずやってみる。人も、付き合ってみないと分からない——行動を重んじる人に合う言葉です。先入観で判断せず、自分の目で確かめたい方にもおすすめですね。

馬のことわざ

鯉の滝登り

勢いよく出世すること。

急流を登りきった鯉は龍になる、という中国の言い伝えですね。目標に向かってまっすぐ進む決意をあらわすには、ぴったりの言葉でしょう。

端午の節句の鯉のぼりも、この伝説にちなんでいます。子どもの成長を願う気持ちと重ねて、自分への願いにするのもいいですね。

魚のことわざ

失敗を恐れない人に

猿も木から落ちる

どんな名人でも、時には失敗することがあるということ。

これを座右の銘にする人は、きっと完璧主義に苦しんだことがある人でしょうね。失敗してもいい、落ちても登り直せばいい——そう思えると、ずいぶん気が楽になります。

ちなみに猿は、落ちてもたいていすぐに登り直します。そこまで含めて座右の銘にすると、いっそう味わい深いですよ。

猿のことわざ

犬も歩けば棒にあたる

何かをしていれば、思いがけない幸運に出会うこともあるということ。

もとは「余計なことをすると災難にあう」という悪い意味でしたが、今では良い意味で使われることのほうが多くなりました。

とにかく動いてみる。外に出てみる。そうすれば何かに出会える——そんな行動派の人に合う言葉ですね。

犬のことわざ

物事をこつこつ続ける人に

牛の歩み

物事の進み方が、とてもゆっくりであること。

一見すると後ろ向きな言葉に思えるかもしれませんね。けれど「牛の歩みも千里」と続けて言うこともあるんですよ。遅くても、着実に進めば遠くまで行ける——そういう意味です。

急がない、焦らない。自分のペースを大切にしたい人にぴったりですね。

牛のことわざ

牛も千里、馬も千里

速さは違っても、最後にたどり着くところは同じだということ。

人と比べて落ち込みそうになったとき、支えになる言葉です。足の速い馬をうらやむ必要はない。自分は自分の歩幅で行けばいい——そう思わせてくれますよね。

商いは牛の涎

商売は、牛のよだれのように細く長く、気長に続けることが大切だということ。

商売をされている方には、特に響く言葉かもしれませんね。一気に儲けようとせず、細く長く。地道な仕事をしている方の座右の銘としても、よく合います。

謙虚でありたい人に

能ある鷹は爪を隠す

優れた能力の持ち主は、それをひけらかしたりしないということ。

実力があっても見せびらかさない——そんな生き方を選ぶ人の言葉ですね。「深い川は静かに流れる」も同じ意味です。

ただし、自分で「私は能ある鷹なので」と言ってしまうと、爪を隠せていませんので、ご注意を。座右の銘として心に置いておく分には、まったく問題ありませんよ。

鳥のことわざ

井の中の蛙、大海を知らず

狭い世界しか知らず、広い世界を知らないこと。

これを座右の銘にするのは、自分への戒めとしてですね。今の自分が見ている世界は、きっとほんの一部にすぎない。もっと外を見よう、学び続けよう——そういう姿勢をあらわします。

ちなみに日本では「されど空の深さを知る」と続けることもあるんですよ。狭い世界にいるからこそ、見えるものもある。そう考えると、また違った味わいが出ますね。

蛙のことわざ

人とのつながりを大切にする人に

魚心あれば水心

相手が好意を示してくれれば、こちらもそれに応える気持ちになるということ。

人間関係を大切にする人の言葉ですね。まず自分から歩み寄る——そういう姿勢が伝わってきます。

馬が合う

気心が合い、お互いにしっくりくること。

短い言葉ですが、人との相性を大事にする気持ちがよくあらわれています。無理に誰とでも合わせようとせず、合う人を大切にする——そんな考え方ですね。

牛は牛連れ、馬は馬連れ

似た者同士が集まると、物事がうまく運ぶということ。

これも仲間との関係を重んじる言葉ですね。「類は友を呼ぶ」と同じ意味です。

慎重でありたい人に

蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる

一度ひどい目にあうと、必要以上に用心深くなること。

本来は「臆病になりすぎ」という、やや否定的な言葉です。座右の銘にするなら、「過去の失敗を忘れず、慎重に進む」という前向きな解釈で使うことになりますね。少しひねった選び方ですが、そのぶん印象に残ります。

その他の動物のことわざ

柳の下にいつも泥鰌はおらぬ

一度うまくいったからといって、同じ方法で何度も成功するとは限らないということ。

成功体験に寄りかからない——そういう戒めですね。変化を恐れず、常に新しいやり方を探す人に合います。

動物のことわざを選ぶ三つの魅力

さて、ここまで紹介してきましたが、動物の「ことわざ」を座右の銘にすることには、こんな良さがあります。

その一、親しみやすい

「初志貫徹」「不撓不屈」といった四字熟語は立派ですが、少し硬いですよね。その点、動物の「ことわざ」はやわらかい印象を与えます。

面接や自己紹介で「座右の銘は猿も木から落ちるです」と答えたら、場の空気がふっとゆるむのではないでしょうか。そのうえで「だから失敗を恐れずに挑戦したい」と続ければ、印象にも残りますよね。

その二、情景が浮かぶ

「牛の歩み」と聞けば、のっそり歩く牛の姿が目に浮かびます。「能ある鷹は爪を隠す」なら、静かに獲物を狙う鷹の姿が。

言葉と一緒に絵が浮かぶので、忘れにくいんですよ。座右の銘は、ふとしたときに思い出してこそ意味がありますからね。

その三、人柄が伝わる

選んだ「ことわざ」で、その人の考え方が見えてきます。

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」を選ぶ人と、「牛の歩み」を選ぶ人。どちらも立派ですが、ずいぶん性格が違いますよね。自分らしい一つを選べば、それだけで自己紹介になるというわけです。

選ぶときのちょっとしたコツ

最後に、座右の銘を選ぶときの目安をお伝えしておきましょう。

今の自分に足りないものを選ぶ

慎重すぎる人は「虎穴に入らずんば虎子を得ず」。焦りがちな人は「牛の歩み」。自分を補ってくれる言葉を選ぶと、日々の指針として働いてくれますよ。

意味を正しく確かめる

「役不足」のように、意味を取り違えやすい言葉もあります。座右の銘として人に話す機会もあるでしょうから、公開前に意味を確かめておくと安心ですね。

語呂のよさも大事に

何度も口にする言葉ですから、言いやすさも大切です。声に出してみて、気持ちよく響くものを選んでみてください。

いろいろな動物の「ことわざ」は「動物にまつわることわざ」のページで紹介しています。あなたにぴったりの一つが、きっと見つかりますよ。